因幡の國の最西端に位置し、北に日本海、南に中国山地を望む当地日置郷。この田園の一角に明治20年創業いたしました。冬、雪深い当地には、旧正月の頃満開となる桜の名木があり、春を待つ心に酒を酌み交わす意を込めて「日置桜」と名づけました。
因州和紙の産地としても知られるこの地の豊富な湧き水と天与の自然に育まれて醸し出される白滴は、四季折々の旬の味わいを持ち、全国の愛飲家の皆様より高い評価をいただいております。
私どもは、手造りの製法を厳守し、特化した伝統産業の誇りをもって酒造を究めてまいります。
日本酒は醸造酒であり、ワインと同様に素材のポテンシャルが品質に大きく影響します。優れた米だからといって良い酒が出来るとは限りませんが、優れた米で なければ良い酒が出来ないのも事実。私たちが使う酒米は、食米と違い食味成分である蛋白質や脂肪分が少ないものを求めます。しかし収量や効率を優先する現 在、過剰な肥料を与えられて栽培されるものには、それらの成分は残留します。
もっと美味い酒を造るために優れた米がどうしてもほしい。そのためには米の栽培方法から意識改革し、それを実践出来うる特化した農家の協力が不可欠でした。幸いにもこの地には優れた耕作者が存在します。
日置桜の使用する酒造好適米は全て完全契約栽培。15件の篤農家の手によって、低農薬・低肥栽培法された珠玉の米は、一粒一粒が汗と涙の結晶です。
「醸は農なり」。日置桜の酒造りは、常に農業の延長線上にあります。